7.中枢系との関係

 冒頭の「中枢神経である脳や脊髄の働きを主に調節」、これはどのような原理によるものでしょうか? また、その関連性は?
 先に述べたように、筋骨格系の働きは、一般に考えられているよりも広い範囲でからだの機能と連動しています。
 それにはパーツごとにバラバラに見るのではなく、からだ全体を一つのシステムとして考える必要があります。
 例えば、内臓はそれらを覆う筋膜の動きと密接に連動し、また神経系も介して筋骨格系と協調して働きますから、からだがいわゆる「きゅうくつ」な状態にあるときは臓器も動きに制限が加えられ、うまく活動できないことがあります。

 内臓が先にしろ骨格が先にしろ、異常を起こさせる原因は神経系の不調であると考えられます。それによる機能障害の結果が、筋肉や関節の可動域を妨げ、そしてまた2次的な症状へつながっていくわけです。
 一番最初に関節の可動域減少があるのではなく、そうさせる「原因」ということです。

 不調を起こさせる原因は色々あります。外力によりむち打ち状態になった、同じ姿勢を強いられたことにより関節が負担を受けた、など。
 ただその場合でも、その関節(筋肉を含む)部位だけがダメージを受けるのではなく、それと同時に、中枢神経系も一緒に影響を受けます。
その結果、関節を保持する筋肉をはじめ、さまざまな神経系の情報が錯綜します。そのため悪い状態で定着し、回復がスムーズにいかなくなってしまいます。


 中枢系の構造と機能の主役、頭蓋骨〜脊柱〜仙骨について説明します。
 一般的にはアゴの関節以外は動かないと思われていますが、実際には23個のパーツから構成されている頭蓋骨の縫合は完全には骨化せず、さらには一定のリズムを保って動いています。
 頭蓋骨内部には脳があり、脊柱内の脊髄神経がつながっています。
脳〜脊髄神経は頭蓋骨〜脊柱の内部で、脳室内の脈絡叢(みゃくらくそう)で生成される脳脊髄液という液体に満たされています。
 それをおおう脳脊髄硬膜は頭蓋骨内部では内張のようになっていて、脊柱内部を通って骨盤にある仙骨までつながっています。
脳―脊髄神経はそれにおおわれて半ば密閉された状態で守られています。
 脳脊髄液に脳と脊髄を浮かべることで、外部からの衝撃等をやわらげる原理です。

 そして上で述べた頭蓋骨の動きのリズムは、骨盤にある仙骨と連動しています。これは頭蓋〜脊柱内部を絶えず循環している脳脊髄液の圧力との関係によるものと考えられています。
 この水圧システムは頭蓋仙骨システムと呼ばれます。
 この中枢神経に直接影響を与えるシステムのバランスが崩れると、中枢神経系は充分に機能できません。からだ全体に影響を及ぼします。
 からだの部分的なところも大事ですが、まずはこのシステムが円滑に働いている必要があるのです。これはオステオパシーにある「頭蓋骨調整」という考えに基づいています。